RPN電卓は使いやすい。決して思い出補正ではない
10年ほど前に「二度と普通の電卓を使えない体にしてやる」というセリフが、エンジニア界隈で話題になりました。「ロケットガール」というライトノベルのアニメが放送され、このセリフが出てきたときに狂喜乱舞したおじさんエンジニアが大量にいたのです。そのアニメの中で、主人公が=(イコール)キーがない電卓に戸惑う場面でこのセリフが出てきました。 ※アニメ「ロケットガール」に出てきたRPN電卓 HP41c 「ロケットガール」の主人公が戸惑ったのがRPN電卓です。逆ポーランド記法と呼ばれる入力方法で計算するため普通の電卓を使っている人には、「2+3」すら計算ができません。今ではすっかり忘れられている方式ですが、現在も一部の人には根強い人気があります。 ヒューレット・パッカードの黄金時代 70年代から80年代にかけて、ヒューレット・パッカード(以下HP)の電卓は全盛期にありました。HPは逆ポーランド記法を使ったRPN関数電卓を販売し、エンジニアや金融関連の仕事をする人から圧倒的に支持されました。日本でも70年代から発売され、アメリカに比べて高値ではありましたがエンジニアの憧れの電卓でした。 米金融業界ではHPの電卓を使えることが必須で、ゴールドマン・サックスでは新入社員に対してHPの電卓HP-12Cの使い方を教える研修が行われていました。そのため、今でも熱心なユーザーがいるのですが、HPの経営不振とパソコンの全盛によってRPN電卓はほとんど見られなくなりました。 関連記事: 史上最悪のCEOと呼ばれて /カーリー・フィオリーナ 逆ポーランド記法とは 例えば「2+3」を計算します。普通の電卓では次のようにキーを押します。 2 + 3 = しかしRPN電卓では次のように押します。 2 enter 3 + 普通の電卓が「2プラス3=」と考えるのに対しRPN電卓では「2に3を足すと」という風に、計算式を普通の言葉に置き換えていくのです。一桁の足し算ぐらいでは大した差はないのですが、ややこしい式になるとRPNは断然便利です。 (1+2)×(3-4)/(5+6)= これを普通の電卓で計算するには、メモリー機能を使わないと一発では無理でしょう。しかしRPN電卓だと、計算式を読んだまま入力していけば計算できます。 「1に2を足したものに、...