6月のNBAドラフトに注目 /八村塁は3人目のNBA日本人プレイヤーになるか?

日本人としてNBAに登録された選手は田臥勇太、渡邊雄太の2人がいます。そして3人目の期待がかかるのが八村塁(はちむら るい)です。現在はアメリカのワシントン州にあるゴンザガ大でプレイするチームの中心的選手で、ドラフト指名は間違いないと言われています。今回はアメリカ大学バスケット界のスター選手、八村塁の話です。


高校まで

ベナン人の父と日本人の間に生まれた塁は、野球やサッカーに励んでいました。小学校で170cmを超える大柄な肉体に、優れたフィジカルが備わっており、ピッチャーをすればボールを捕捉できるキャッチャーがいないことに悩まされたそうです。転機は中学生になってから訪れます。家族旅行でニューヨークに行ったのがきっかけでした。


日本では特徴的な顔立ちに加え、長身さが目立ち「ハーフ」としての存在感が際立っていました。しかし人種のるつぼニューヨークでは、塁は何者でもない普通の人になったのです。強烈なアメリカへの憧れが芽生え、日本に帰るとラップを聴き、ハリウッド映画を見て、毎食ハンバーガーを食べたいと言って母親を困らせました。友達にバスケットに誘われた時も迷いませんでした。ニューヨークで無数にあるストリートバスケットのコートを見ていたからです。


そこから塁は凄まじい勢いで頭角を現しました。中学では全国大会準優勝となり、高校では全国大会、インターハイ、ウインターカップで優勝し、高校バスケット界のスーパースターになりました。2メートルを超える長身だけでなく、並外れた運動能力を見せつけるとアメリカのゴンザガ大からスカウトの声がかかりました。夢のアメリカへ塁は羽ばたきます。

ゴンザガ大学

1年目から試合に出場し、NCAAトーナメント準優勝に貢献します。早くもNBAドラフト候補に名前が上がりますが、万全を期すためにゴンザガ大でのプレイを優先すると、今シーズンも絶好調でチームは快進撃を続けます。名実ともにゴンザガのエースとなった塁は、ウエストコースト・カンファレンスの最優秀選手に選ばれました。

※ゴンザガ大学
今年のドラフトでは指名間違いなしと言われていて、シカゴ・ブルズが指名しそうです。ESPNは塁が1巡目14位で指名されると予想していますが、昨年も指名される可能性が高かっただけに1巡目の指名は当然だと思われます。今、最も注目を集める選手の1人になっています。

NBAで通用するのか?

1試合を通して見たことがないので、あまり正確なことは言えません。しかし203cm 106kgというのはフォワードとして見劣りしない体格です。また近年では背の高さより腕の長さに注目するスカウトが増えていますが、両手を広げたウイングスパンが218cmあり、身長より15cmも長くなっています。これは大きな武器になります。


ただ、ネットでアメリカの記事を追っていくと、運動神経の良さや速さ、ハードワークを惜しまなない姿勢などが評価されている反面、シュートに精度を欠き、ドリブルは縦にしか突破出来ず、安定感に欠けるとされています。長所より短所の指摘が多く、即戦力にはならないと断定しているところもありました。しかし素材の良さは誰もが認めるところで、怪我などのトラブルに会うことなく、何年かハードなトレーニングを積んで課題を克服すれば、NBAで活躍できると書いています。


そもそも並外れた才能を持つ者が、常人離れした努力を続けることでポジションを奪い合うNBAにおいて、即戦力となるようなルーキーは稀有なのです。まずはドラフトで指名されて、契約を勝ち取ることが大事だと思います。

まとめ

八村塁は可能性の塊です。NBAで大活躍する可能性を秘めていて、これから大きな成長が期待されます。NBAでは1チームにつき登録できるのは、わずか15人です。類まれな才能の持ち主が集まり、しのぎを削ってようやくメンバーに登録されます。スーパースターとして君臨したコービー・ブライアントも、1年目は他のルーキーの才能に身を焦がすような嫉妬にかられ、気が狂わんばかりにトレーニングに打ち込んだと言われています。ですからコービーほどの才能に恵まれているとは思えない八村塁は、ドラフトで指名されてからがスタートになります。

まずはドラフトを待ちましょう。そして数年後に八村塁がNBAの舞台で活躍する姿を夢見てしまいます。



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