暖かさ満点のコート /私物のグレートコートの紹介
コートは何点か持っていますが、その中で最も暖かいコートはグレートコートと呼ばれるコートです。あまりの暖かさに、東京では年に10日程度しか着る機会がありません。電車の中や建物の中では暑すぎるのです。しかし気温が0度前後になる日などは、これを着ておけば体が冷えることなく快適に過ごせます。ビンテージ品のため、残念ながら同じ物を入手するのは不可能なので、大事に使っているコートです。
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第一次世界大戦の頃からイギリス軍で着られていたようで、これが後にブリティッシュウォームに変化したと書いてあるサイトもありますが、真偽のほどはわかりません。
住所もあるので調べてみると、ハーバート・チャペル氏が1867年にビショップスゲート・ストリートに設置した会社が始まりのようです。チャペル氏はサフォークのウッドブリッジ出身で、父親もテーラーだったそうです。
1892年にグレシャム通りに店を移し、1964年に売却されるまで営業を続けていたようです。つまり私のコートは、1963年以前のものだということになります。この店はRAFの制服も作っていたビスポークテーラー(顧客の体に合わせてオーダーメイドの服を作る)だったようで、広告も残っています。
現在の視点で見ると超重量級のコートですが、肩にかかる重量を上手く分散しているので着ると思ったほど重さを感じません。しかし腰の位置が合っていれば重さを腰に回すこともできたので、さらに軽く感じたはずです。ビスポークのコートがこれほどピッタリ合うことは珍しいので、気に入って購入しました。
小柄な私と同じくらいのRAF士官が着ていたとは考えにくいと思ったのですが、第二次世界大戦時の空軍士官の多くは第一次世界大戦頃に活躍したパイロットで、当時は複葉機が中心だったのでパイロットは小柄な人が多かったようです。コックピットが狭く、体重が重いパイロットが乗ると燃費が悪くなるので小柄なパイロットが活躍していました。そのため私と同じくらいの体格のRAF士官がいたとしても不思議ではない気がしてきました。
分厚い生地が体にピッタリしているのに体を動かしにくいこともなく、さすが一流のテーラーの仕事だと感じることができます。腕を上げたり腰をひねったりする際に、ストレスを感じることはありません。
※コートの手入れにはブラシが必須です。ケントが一番良いと思います。
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グレートコートとは
日本語では大外套と訳されることもある、ようするに大きなコートです。着丈が膝下まであり、体全体をすっぽりと包み込んでくれます。軍服としても用いられていて、私のグレートコートはエアフォースブルーという色の生地が使われていることから、イギリス空軍(Royal Air Force 以下RAF)の制服だったと思われます。現在もグレートコートはイギリス軍で使われていて、士官以上の人が着用しているようです。第一次世界大戦の頃からイギリス軍で着られていたようで、これが後にブリティッシュウォームに変化したと書いてあるサイトもありますが、真偽のほどはわかりません。
ブランドはどこか
ポケットの中のタグを見るとHerbert Chappellとあります。住所もあるので調べてみると、ハーバート・チャペル氏が1867年にビショップスゲート・ストリートに設置した会社が始まりのようです。チャペル氏はサフォークのウッドブリッジ出身で、父親もテーラーだったそうです。
1892年にグレシャム通りに店を移し、1964年に売却されるまで営業を続けていたようです。つまり私のコートは、1963年以前のものだということになります。この店はRAFの制服も作っていたビスポークテーラー(顧客の体に合わせてオーダーメイドの服を作る)だったようで、広告も残っています。
※ハーバート・チャペルのイギリス空軍の制服の広告 |
生地
ウールの生地ですが、まるで絨毯を着ているような分厚さです。現在、これほど分厚いウール生地は存在せず、同じ物を再現するのが不可能な理由の一つになっています。分厚いだけでなく、現在の記事よりずっと目が詰まっています。そのため重量感もあり、手に持つとズッシリとした重みを感じます。シルエット
Aラインともいえる裾に向かって広がるシルエットで、ウエストをはかなり絞り込んであります。ダブルブレステッド(いわゆるダブル)で、大きめのアルスターカラーが特徴的です。背中はバックベルトがつき、大きなプリーツが印象的です。現在のRAFで着られているグレートコートもターンナップカフ(折り返しの袖)になっていますが、私が持っているものは現在のものより大きく折り返してあります。そこがクラシカルな印象を与えるポイントにもなっています。※制服の広告用写真 |
※私物のグレートコート |
奇跡的にジャストフィット
このコートはビスポークなので、誰かの体に合わせてジャストフィットで作られています。原宿のOLD HATで見つけて試着してみると、驚くほど私にジャストフィットしました。肩幅、袖の長さ、着丈も膝下でピッタリ合いました。残念なのは腰の絞りで、私の腰の位置より上にあるので、元の持ち主は私より足が長かったことがわかります。現在の視点で見ると超重量級のコートですが、肩にかかる重量を上手く分散しているので着ると思ったほど重さを感じません。しかし腰の位置が合っていれば重さを腰に回すこともできたので、さらに軽く感じたはずです。ビスポークのコートがこれほどピッタリ合うことは珍しいので、気に入って購入しました。
小柄な私と同じくらいのRAF士官が着ていたとは考えにくいと思ったのですが、第二次世界大戦時の空軍士官の多くは第一次世界大戦頃に活躍したパイロットで、当時は複葉機が中心だったのでパイロットは小柄な人が多かったようです。コックピットが狭く、体重が重いパイロットが乗ると燃費が悪くなるので小柄なパイロットが活躍していました。そのため私と同じくらいの体格のRAF士官がいたとしても不思議ではない気がしてきました。
※第二次世界大戦時のRAF士官 |
着心地
生地が体全体を包み込むようで、風を遮断してくれます。ウエストが絞り込まれているので下から冷気が入ることもないので、とても暖かいコートです。暖かすぎて冬場でも電車の中などでは、暑く感じることもしばしばです。着丈が膝より下にあるため、現在のコートの基準からすると長めですが、このくらいの長さの方が寒さ対策には良いことが実感できます。分厚い生地が体にピッタリしているのに体を動かしにくいこともなく、さすが一流のテーラーの仕事だと感じることができます。腕を上げたり腰をひねったりする際に、ストレスを感じることはありません。
まとめ
古き良き時代のコートで、生地は現在では手に入らないものですし、縫製も手間がかかっています。現在、ロンドンの有名テーラーでコートをビスポークすると50万円や60万円は軽くかかってしまうので、体に合ったコートを古着で安く手に入れられたのは幸運でした。難点は手に持った時に重すぎることぐらいで、何ら不満はありません。大事に着ていきたいと思っています。※コートの手入れにはブラシが必須です。ケントが一番良いと思います。
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