マイケル・ジャクソンが愛したローファー /G.H.BASSの魅力

私はローファーを一足も持っていません。足に合うローファーに出会ったことがないからです。唯一履けたのは、J.M.ウェストンの超タイトフィッティングで、お値段もすごければ足も痛いで、さっさと諦めました。今回はローファーの元祖と言われるG.H.BASS(バス)のお話です。とってもお安い革靴なんですよ。だから何度も試しているのですが、なかなか購入には至っていません。



歴史

ジョージ・ヘンリー・バスという人物が、片田舎の工場を買い取ったことからブランドが始まります。当時の労働者の靴に不満を感じ、また納得できるアウトドアシューズがなかったことから自ら靴の製作を始めました。1876年にG.H.BASSと名前を変え、靴の製造を始めました。南極探検隊向けの靴を作るなどの開発を続け、1910年にはアウトドア用のモカシン靴を製作してヒットします。



第一次世界大戦では、アメリカ軍のパイロットブーツを納めるまでに成長し、第二次世界大戦ではアメリカ陸軍に防寒用ブーツを支給しています。チャールズ・リンドバーグが大西洋無着陸横断を成功させた時も、BASSの靴を履いていました。そして1950年代に、ウィージャンズと呼ばれるローファーを発表しました。つま先にも踵にも芯がなく、マッケイ製法で作られたこの靴はアイビーリーガー達に高い支持を得ました。60年代には日本でもアイビーブームの際に、ウィージャンズは大ヒットしています。



低価格で可能な限り良い靴を提供する方針のもと、現在では向上をアメリカ国外に移して展開しています。接着剤を使ったセメント製法が全盛の現在、今でも靴底を縫い付けて、わずか1万円代で提供する稀有なメーカーです。靴好きの中にはあれこれ悪く言う人もいますが、この価格でローファーを提供することを実現するには、さまざまな企業努力があったはずです。

マイケル・ジャクソンの靴

フローシャイムなども使用していたマイケル・ジャクソンですが、G.H.BASSが大好きだったようです。オールデンのような高級ブランドを、毎年のように全色買っていたと言われても驚かないマイケルですが、安価なG.H.BASSを愛用していたところに好感が持てますね。

※ヒット曲「ビリー・ジーン」でもBASSが使われました。

そもそもマイケルはお洒落なタイプではなく、ファッションとしての服や靴には関心が薄かったようです。しかしダンスのパフォーマンスに関わるとなると、とても繊細で注文か多かったようです。そんなマイケルがG.H.BASSのウィージャンズを愛用していたというのは興味深いですね。何足ものG.H.BASSを履き潰し、マイケル・ジャクソンのパフォーマンスは磨き上げられたのです。



靴の種類

ウィージャンズ:ローファー

G.H.BASSの看板モデルで、バスといえばこのローファーです。軽くて履きやすく、値段の安さから人気です。G.H.BASSを購入するなら、ウィーシャンズから試してみましょう。カラーバリエーションも多く、レディースモデルもあります。




ウィージャンズ:タッセル・ローファー

アメリカの弁護士などがよく履いている、タッセル付きのローファーも定番です。普通のローファーは学生っぽいと思う人に、こちらは人気ですね。ジャケット+パンツ姿にタッセルローファーはよく合います。タッセルローファーは1940年代にオールデンが作った歴史の浅い靴です。1950年代にブルックスブラザーズが販売し、大人気になりました。オールデンは簡単に手が出ませんが、G.H.BASSなら試せるという人は多いでしょう。





サドルシューズ
最近は見かけなくなったサドルシューズもあります。オールドアメリカンスタイルが好きな方には、たまらないスタイルです。元々はイギリスで生まれたサドルシューズですが、1920年代から50年代にかけてアメリカで大人気になりました。ダンスシューズとして、ゴルフシューズとして、そしてボーリングシューズとして今でも根強い人気がある靴です。



スエード・オクスフォード

ローファーが苦手な人には、こちらの方が良いでしょう。外羽なのにオクスフォード?という気もしますが、オクスフォードと表記されています。




他にも多くの種類があり、ブーツなども豊富な種類があります。しかし日本で売られているのは、上に挙げたものをよく見かけます。どれも1万円台で売られていて、手頃な価格になっています。

まとめ

長い間1万円台を維持していることを考えると、驚異的な企業努力を続けているのだと思います。60代の人に聞くと、70年代はリーガルの方が値段は安かったそうです。今ではリーガルより安く買えるのですから、驚くべきですね。




ここまで安い靴なので、特筆すべきような点はありません。しかし根強いファンが多いのも事実で、気楽に使えるのが魅力なのだと思います。普段履きの一足として、あっても困らない靴ですよ。



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