ヘンリー王子は変わったのか

※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。

イギリス王室のウィリアム王子の結婚が迫っていますが、弟のヘンリー王子が日に日に立派になっているという話も多く聞こえてきます。王室の問題児で、アル中にマリファナ、飲酒の末の暴行事件にナチスのコスプレとゴシップだらけの王子は本当に変わったのでしょうか?



ヘンリー王子がアル中になって治療をうけたのは14歳の頃だったと思います。すでに11歳の頃から酒とタバコに手を出していたというのですから、なかなかの不良っぷりです。さらに18歳になるとマリファナに手を出しているのですから、王室が気をもんだのも当然のことです。

このようにヘンリー王子は11歳の頃から荒れ始めるのですが、この頃は両親の離婚が決定的になる時期です。母のダイアナは過食症に陥り、旦那の浮気の報復なのか自身の浮気も発覚して大騒ぎになっている頃です。

ヘンリー王子が12歳の時に両親は離婚し、13歳の時にダイアナが亡くなっています。その翌年にヘンリー王子はアル中になって治療を受けることになるわけです。彼の振る舞いは間違いなくけしからんことですし、イギリス国民を失望させました。しかし日本なら小学生の年齢で両親の不仲に直面し、聞きたくなくともメディアによって不倫相手のことまで事細かく聞かされていました。

両親が不倫を重ねている家は他にもあるでしょう。しかしその不倫が国民の関心事として、国中から注目を集めて大騒ぎの渦中にいる経験をする人は限られます。ましてやヘンリー王子は、まだローティーンの少年にすぎなかったのです。多感な時期を両親のスキャンダルが直撃したことは、心理的に大きく作用したはずです。

王位継承順位第三位という窮屈な立場の中で立派な大人になることを強要されてきたヘンリー王子は、普通の少年のようにもう少しだけ両親に甘えたかったのではないでしょうか。しかしそれは両親離婚とさらにはダイアナの死という最悪の展開によってかなわぬもよになってしまいました。

みんな立派なことを口にするけど、どうしてお父さんとお母さんはケンカばかりしてるの?王子になったって窮屈なばかりで、お母さんに甘えることもできないの?国のためっていうけど、お父さんとお母さんは僕のためには一緒にいてくれないの?

そんな想いがあったのではないでしょうか。たしかに甘えはありますが、両親と仲良く楽しく暮らしたいというのは子供なら誰もが持つ想いだと思います。そして王室の母親へのつらい仕打ちや、メディアによる中傷があり、母親の死が追い討ちをかけたようにも思います。彼のナチスのコスプレは悪ふざけというよりも、そんな王室へのレジスタントのようにも思えました。

その後ヘンリー王子は軍隊に入り、最前線を志願して一般の兵士としてともに戦いました。テロの標的になったことから撤退を余儀なくされましたが、王族としての特権を拒否して最前線に出たことで、多くの賞賛を得ました。この頃から悪童王子の変貌ぶりが伝えられるようになり、チャリティに奔走したり母の追悼コンサートでは聴衆の胸を打つスピーチを行っています。

今でもピンクのパンツを報道陣に見せたり、兄のウィリアム王子と「ハゲ」「赤毛」と応酬して話題には事欠きませんが、王子の変貌ぶりに多くの人が喜んでいます。しかし私は思うのですが、王子は変貌したのではなく、今の姿が本来の姿なのではないでしょうか。両親の離別と突き返し母親の死を乗り越えたことで、ようやく本当の自分の姿に戻ったのだと思えてなりません。

結婚を控えたウィリアム王子にばかり注目が行きがちですが、私はヘンリー王子から目が離せません。







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