迷走は続くよいつまでも

※こちらは以前の「はねもねの独り言」に書いていた記事です。

民主党が子供手当ての財源を確保するために、子供がいる世帯に課税を検討しているというニュースを目にしました。本末転倒の極みというか、何がなんだかわからない状況になっていますね。なにがなんでも子供手当てを続けるために、なりふり構わないという風に見えます。そもそも子供手当ては何を目的とした制度だったのか、民主党自身が忘れているのではないでしょうか。


私の記憶では、日本の子供の貧困率がOECDの中で比較してもかなり高く、政府が子育て支援に出している費用が先進国中で見るとかなり低いということを踏まえて、少子化対策の一環として子供手当てを持ち出してきたように思います。つまり子供手当ての目的は、みんなに沢山子供を産んでもらい、育ててもらうことだったはずです。それなのに子育て家庭に課税するって、なにを考えているんでしょうね?

そもそも池田信夫さんがブログで指摘しているように、子供を育てるコストは子供手当てぐらいじゃまかないきれず焼け石に水程度なんですね。焼け石にかける水を維持するために、さらにコストをかけるというのでは無駄が多すぎます。それに本題の少子化対策であれば、母親の雇用問題など根本的な問題に着手するならば子供手当てをやめても公約違反とは言い切れないと思います(揚げ足をとろうとする人はいるでしょうけどね)。

沖縄の基地問題にしても、そもそも普天間基地の県外移設は沖縄県民の負担軽減を目的としていたはずです。迷走を重ねた挙句、やっぱり辺野古にしてくださいというならば、沖縄県民の負担軽減に繋がる代案が必要なはずです。しかし威勢のいいことを言って選挙を戦っておきながら、当選したら「やっぱりごめんなさい」というのでは納得できないと言われて当然ですし、話し合いが成立しないのも当然です。基地移設ほど抜本的なものではないにしても、何らかの代案は必須のはずです。

民主党の政策を聞いていると目的がハッキリしないものが多く、またハッキリとした目的があっても議論している最中に目的が曖昧になるものが多いような気がします。少し前にミッドウェイ海戦のことを書きましたが、この海戦も目的に二重性があったために司令官と現場の間で何を最大の目的とするかで錯誤があったようです。今、戦争に関する本をいくつか読んでいるのですが、太平洋戦争において軍部の作戦には目的がハッキリしないものがあったみたいです。

組織の中で目的が明確でないと、それぞれが好き勝手に解釈して動き出しますよね。営業部長が「新規顧客を開拓しろ」と命令するだけでは、単に売上高を伸ばしたいのか、営業利益を上げたいのか、来年度に備えて種を撒けと言っているのかわかりません。営業部長は利益を抑えてでも売上高を確保したいと思っていたのに、営業マンは交渉の過程で要求される値引き幅が大きすぎると交渉を断念してしまうなんてことが起こるのです。

民主党政権がブレると言われているのは、目的が明確になっていないというのが大きいように思います。しかし寄せ集めの政党ですから、これが一番難しいような気もします。






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COMMENT:
AUTHOR: k0yaji
DATE: 01/17/2011 00:30:42
民主党が長年批判していた権力の座に就いて、ようやく自らの欺瞞に気づき、精一杯それを誤魔化そうとしている様に私には見えます。
私は安易には、権力批判をしない様に、自分言い聞かせていますが、民主党には、失望の念を隠せません。
今一度、権力とは、何か。を考えなければなりません。

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COMMENT:
AUTHOR: はねもね
DATE: 01/17/2011 10:56:29
★k0yajiさん
欺瞞がありますよね。とにかく自民党に対する不満を挙げて、自民党と反対のことだけ言い続ければ良かった野党時代とは違い、実行するにはさまざまな障害や矛盾と対峙しなくてはいけないのですが、そういうことから目をそらしていましたからね。

そういえば与謝野さんの入閣に批判が起こっていますが、どこかの海外の新聞には「道に迷ったボーイスカウトの一団に、大人が加わったのだから歓迎すべきだろう。しかしこの大人も道に迷わないという保証はない」といったニュアンスの記事が出ていました。やっぱり誰が見ても道に迷ってるんだなと思いました。。。
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コメント

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