レザーマンのマルチツールを考える /WAVE(ウェーブ)のレビュー

かつてはコンビニエント・プライアーと呼ばれ、最近ではマルチツールと呼ばれるレザーマンの紹介です。さまざまな工具をひとまとめにした便利なツールです。一つあると何かと便利で、家の中の細々した工具をまとめることもできますよ。



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レザーマン とは

テイム・レザーマンがヨーロッパ旅行をしている時、レンタカーの故障や安宿での水漏れなどが相次ぎ、旅先ごとに何らかの修理に追われることになりました。プライアーにさまざまなツールを付け加えた道具を思いつきます。

※若き日のティム・レザーマン

1983年にポケット・サバイバル・ツールの名で売り出すと、徐々に評判が広がって大ヒットになりました。日本にも80年代後半から90年代にかけて紹介され、キャンプを行うアウトドア派やバイク乗りの間で評判になり浸透していきました。

※当時のポケット・サバイバル・ツール

私がレザーマンを知ったのは90年代に入ってからで、バイク乗りの間で「本格的なメンテナンスは無理だが、ちょっとしたことなら十分に使える」という評判で、とりあえず買ってみることにしました。

多くのメーカーから出ているマルチツール

上記のように、とりあえずマルチツール(当時の呼称はコンビニエント・プライアー)を買うことにした私は、お店でさまざまなメーカーからマルチツールが出ていて圧倒されました。現在でもガーバー、ビクトリノックスなどから出ていて、どれを購入するか迷います。

※ガーバー社のマルチツール

当時の私も迷いました。レザーマンはまだまだ新興メーカーで、手に取ると工作精度が低く握ると角が手に食い込んで痛く感じました。その一方でガーバーやバックはナイフの老舗らしく優れた工作精度で、手に馴染みます。散々迷って私はバックのマルチツール を購入しました。アウトドアナイフの老舗で、ポケットナイフも持っていたので信頼感が高かったのです。しかしこれは大失敗でした。

ねじるように開くプライアーは、全く力が入りません。バイクのフェンダーとタイヤの間に入り込んだ木の枝を引っ張るなど、渾身の力を入れたい時に、ハンドルがグネッと曲がって力が入らないのです。その他、ドライバーなども使いにくく、すぐに使わなくなりました。そして周囲の勧めで、レザーマンを購入しました。

※バック社のマルチツール

現在売られているマルチツールの中でも、私はレザーマンをお勧めします。お勧めの最大の理由は、こじったり叩いたりする荒っぽい使い方に耐えうる強度を持ち合わせているからです。もちろんむちゃくちゃな使い方をしたら壊れますし、保証の対象外にもなります。しかし他のメーカーに比べて、頑丈さがあるので安心して使うことができるからです。

マルチツール 選びに困ったら

明確な目的がなく、とりあえず便利そうだから買っておこうとか、家の中の複数の工具をまとめたいけど、どれが良いかわからないという人には、レザーマンのWAVEをお勧めします。レザーマンの中で最も基本的な構成で、拡張性が高いからです。とりあえずWAVEを試してみると、マルチツールの便利さや不足している部分が見えてきます。


WAVEは最近になってワイヤーカッター部分が自分で交換できるWAVE PLUSが登場しました。今回、私も新調するにあたってPLUSを購入したので、レビューは全てWAVE PLUSになります。


こちらは普通のWAVE。


こちらはWAVE PLUS


購入はレザーマン・ジャパン正規代理店で

レザーマンは通常の使用で壊れた場合、25年の保証をつけています。並行輸入品でもレザーマンは購入可能ですが、壊れて保証を受ける場合は海外の購入元に送らなければなりません。送料等を考えると、一度壊れるとかなり割高になってしまいます。特に何か理由がなければ、少し高くてもレザーマン・ジャパンの正規代理店で買った方が、安くつくことが多いと思います。

レザーマン・ジャパンは以下のLTJマークで確認できます。


プライアー

マルチツールの一つの機能として侮れないのが、メインのプライアー機能です。そこらのプライアーよりしっかりしていて、使いやすさも十分です。以前のレザーマンは、角ばっていたので握ると手が痛くなりましたが、WAVEはそんな心配は無用です。バランス、強度、精度ともにかなりのものです。



ワイヤーカッターも、太い針金をパチンと切ることができて、この機能だけでもかなり満足しました。WAVE PLUSでは、このワイヤーカッターの刃が自分で交換できるようになりました。

マイナスドライバー

割とよく使うのが、ちょっと大きめのマイナスドライバーです。ドライバーとして使うよりも、何かをこじ開ける際などに使います。こういう使い方をする際に、工具としての強度が重要になるのですが、不安になったことはない頑丈さです。建設現場で大きなものをこじるようなことは無理ですが、ちょっとしたものをこじ開けるには十分です。



ドライバー

プラスとマイナスに差し替えることができます。柄が短いので細い場所には入っていきません。ドライバーとしての精度は特に高いわけではなく、まあ普通のドライバーだと思ってください。


別売りのビットドライバーエクステンダーを使うと、かなり便利になります。またビットキットを買うと、各サイズのドライバーや六角レンチを取り付けることも可能です。ドライバー機能も、かなり使います。

※ビットドライバーエクステンダー



ハサミ

見た目はオモチャのようなハサミですが、とてもよく切れます。バネが入っているので、親指で押すだけで切れるので、見た目より使いやすくなっています。もちろん普通のサイズのハサミの方が使いやすいのですが、ハサミを持ち歩くことは滅多にないので、これに助けられることが時々あります。



私はSTYLE CSも持っていて、ハサミだけが必要な時はこちらを持ち歩いています。

精密ドライバー

メガネの調整に使っています。ちょこちょこと出番がありますね。これもプラスとマイナスに差し替えることができます。



缶切り

この前、会社のカーペットを捲るのに、ちょっと使いました。缶切りとして使うことは、これから先もそんなにないと思いますが、何かを引っ掛けて持ち上げる時などに使いそうです。


ナイフ

使用頻度はぐっと下がりますが、ナイフです。WAVEを閉じた状態で片手で開くことができるため、アメリカでは人気の理由になっているようです。日本でもアウトドアで使う方には評判のようですね。私は刃物が必要な場合はカッターナイフを使うので、基本的にナイフは使いません。たまにカッターナイフがない時に使う程度です。


ナイフは買ってから研がないと、切れ味が全く出ないナイフも多いのですが、このWAVEは買ってからすぐに使える切れ味でした。本当によく切れます。

ノコギリ

短いので使える範囲は限定的ですが、私の場合ちょくちょく使っています。ゴミを出す時に長いものを切ったり、友人の家で漏水の調査を頼まれた時にボードを少しカットしたりしました。アウトドアでは小枝を切ったりする人もいるようです。



ヤスリ

今のところ、爪を研いだ以外には使っていません。ダイアモンドコーティングされているので、硬いものでも研げるようです。釣りをする方には、かなり便利なツールだと聞きます。



波波ナイフ

ロープの切断に便利な波波ナイフですが、一度も使ったことがありません。私には研げないので、これから先も使うことは無いような気がします。



比較したマルチツール

ビクトリノックス サイバーツール
ドライバーの種類が最初から豊富で、プライアーもハサミも付いています。正直言って私の生活の中では、こちらの方が重宝しそうな気がしました。2000年にPC対応をうたって登場したサイバーツールは、PCの自作やメンテをする人だけでなく、釣りのリールのメンテや電気工具の手入れが多い人から支持されています。



私も机の引き出しに入れておくなら、こちらの方が出番が多そうです。しかしどうしても力を入れてこじる場面が多いので、やや強度に不安を覚えました。しかし優れたツールには違いなく、工具のメンテナンスが多い方や室内での工作がメインの人には強くお勧めします。



まとめ

さまざまなマルチツールが売られていますが、レザーマンのWAVEは定番の商品で最初の一本に最適です。何にでも使えるマルチツールは、専用の工具には劣ることが多く、あくまでも全てを一つにまとめて持ち歩けるところにメリットがあります。しかしレザーマンのプライアーは専用工具に劣らない完成度で、プライアーをよく使う方には最高の道具になります。マルチツールに興味があるなら、レザーマンは検討から外せません。


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