タキシードってなんだっけ? /結婚式場の貸衣装が無茶苦茶になってます

※この記事は2016年3月30日に、前のブログに書いた記事の転載です。

下の写真は、売れない演歌歌手のステージ衣装でも、お笑い芸人の衣装でもありません。結婚式場でレンタル用にタキシードとして紹介してあるものです。最近では、こんな格好で結婚式を行うようです。タキシードといえばその通りなのですが、お祝いの席の衣装というよりステージ衣装と言った方が良いように思います。




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そもそもタキシードとは

夜間の正装であるテールコート(燕尾服)の略礼装で、最近はテールコートを着るほどかしこまった場が少ないので、タキシードを正装とする場合も増えました。天皇・皇后両陛下が国賓をもてなす宮中晩餐会でも、最近はタキシードになりました。最も格式のある正装として扱われることもあるのがタキシードです。19世紀に誕生した喫煙の際に着用するスモーキングジャケットが原型で、エドワード7世がスモーキングジャケットを取り入れてディナージャケットを考案しました。これが今日のタキシードになります。

これがアメリカに伝わると、色とりどりのタキシードが流行るようになりますが、やがて黒のタキシードが礼装として定着するようになります。やがてウエストコートを簡略化したカマーバンドが取り入れられ、現代のスタイルが完成しました。

結婚式のタキシード

1930年代には白いタキシードが人気になりました。さらに1950年代にはピーコック革命によって、さまざまな色彩や柄物のタキシードにカラーシャツを合わせるのが流行ったりしました。しかしフォーマルな場でのタキシードは黒に戻り、柄のタキシードはカジュアルなパーティや舞台衣装として生き残りました。しかしなぜか日本の結婚式場では、これら舞台衣装のようなタキシードがレンタルされています。

基本的に本人達が満足すれば、格好なんて何でもいいと思います。お笑い芸人みたいな格好でも、本人と周囲がそれでいいと思えばそれでいいんです。しかし、これは明らかにタキシードではありません。もはや別物です。アレンジだって自由だと思いますが、本来の姿を知らずにアレンジしたものは、アレンジではなくモノマネと呼ぶべきでしょう。

※ヘンリー・プールのタキシード

最近ではタキシードを知らないと思われるデザイナーが、タキシード風のジャケットを考案しています。アレンジしたものをアレンジすることで、そもそも何が本物かわかりにくくなっているのが現状です。五木ひろしのモノマネをしたければ、五木ひろしを見るしかありません。五木ひろしを見ずに、コロッケのロボ五木ひろしを見て真似しても、それは五木ひろしのモノマネにはなりません。なんか話が脱線してますね。本物を見ないでアレンジされたものを真似したら、既に別物になってしまうって話です。

※どんなに似ていても全く違う二人。。。

タキシードは礼装である

タキシードは略礼服ですから、テールコート(燕尾服)を着る場所で、ドレスダウンした格好です。それに加えて、男性の服は一緒にいる女性を引き立てる役目があって、新郎の目立ちたい丸出しの自意識を満たすものではないのです。最初の写真のタキシードと呼ばれている服は、女性を押しのけて目立とうとするものばかりですよねぇ。

タキシードといえば襟の形状が、ピークドラペルとショールラペルの2種類あります。どちらを選ぶか悩む人も多いようですが、これもルーツを辿ると見えてきます。元々、タキシードはスモーキングジャケットで、ショールラペルでした。それが略礼服になっていく家庭で、燕尾服のようなピークドラペルが誕生しました。クラシックなスタイルならショールラペルですが、よりフォーマルなスタイルを求めるならピークドラペルでしょう。

※スモーキングジャケットを着たエルキュール・ポアロ

多少のウンチクを並べましたが、最初に書いたように本人と周囲が納得していれば、演歌歌手の衣装でも、お笑い芸人でも、ふんどし一丁でも構わないと思います。しかし笑いを取りに行くのではなく、結婚式というハレの日に親族や勤め先の人、友人達に大人らしく振舞いたいと思うなら、少し考えた方が良いと思うのです。問題は、正しい知識を持った人が極端に少ないというところなんですけどね。


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