元TBSワシントン支局長のレイプ事件の疑問

フリージャーナリストで元TBSワシントン支局長の山口敬之氏が、フリージャーナリストの詩織さん(姓は非公開)にレイプで訴えられていた件は、不起訴になりました。もう疑問だらけの事件で、何がなんだかさっぱりわからないので、わからない点をまとめてみようと思います。

※左:詩織さん 右:山口敬之氏

まずは事件の流れを見てみる

2013年秋     詩織さんと山口敬之氏がニューヨークで出会う。
2015年3月      詩織さんが仕事を探しているというメールを山口氏に送る。
2015年4月3日   就職の相談のため、詩織さんと山口氏が食事に行く。
2015年4月9日   詩織さんが原宿署に被害届を出す。
2015年6月      一旦は逮捕状が発行されるが、逮捕が中止になる。
2016年7月22日 嫌疑不十分で不起訴になる。
2017年5月29日 詩織さんが記者会見を行い、検察審査会への申し立てを行う。
2017年9月21日 検察審査会が不起訴相当と結論を出す。


双方の主張

山口氏
詩織さんがベロンベロンに酔い、ホテルで休ませている間も嘔吐してゲロまみれになったので介抱した。その後、詩織さんが自分のベッドに入ってきたので、流れで肉体関係を持った。

詩織さん
寿司屋で食事をしていると、気分が悪くなり意識を失った。次の日の朝に裸でホテルのベッドで目が覚め、性的暴行を受けたと気がついた。デートドラッグを使われて、意識を失ったと思う。就職の相談をしていたので緊張していたため、酔っ払うことはありえない。


疑惑のポイント

(1)逮捕を中止にしたのは誰か?
捜査は警視庁高輪署が行っていて、高輪署が逮捕状を申請しています。ところが警視庁の刑事部長が逮捕を止めています。所轄の捜査を本庁の刑事部長が止めるというのは、かなり異例です。

(2)なぜ不起訴相当なのか?
警察は証拠を固め、検察も公判を維持できると判断し、裁判所が逮捕する必要があると判断したので逮捕状が発行されました。それが一転して不起訴相当です。あやふやな証拠で検察や裁判所は逮捕することにしたのでしょうか?

ささやかれている疑惑

(1)山口氏が安倍総理と親しいので、逮捕の中止に官邸が関与したのではないか。

(2)国家公安委員会も証拠の見直し等を拒否しているのは、安倍総理への配慮ではないか

別の側面からの疑惑

先ほどの事件の流れに、山口氏の仕事の経歴を加えてみます

2013年秋     詩織さんと山口敬之氏がニューヨークで出会う。
2015年3月   週刊文春(4月2日号)に山口氏の記事が掲載される。
2015年3月      詩織さんが仕事を探しているというメールを山口氏に送る。
2015年4月3日   就職の相談のため、詩織さんと山口氏が食事に行く。
2015年4月9日   詩織さんが原宿署に被害届を出す。
2015年4月22日 山口氏がワシントン支局長に任を解かれ営業局へ異動になる。
2015年6月      一旦は逮捕状が発行されるが、逮捕が中止になる。
2016年5月30日 山口氏がTBSを退社する。
2016年7月22日 嫌疑不十分で不起訴になる。
2017年5月29日 詩織さんが記者会見を行い、検察審査会への申し立てを行う。
2017年9月21日 検察審査会が不起訴相当と結論を出す。



週刊文春の記事というのは、ベトナム戦争時に韓国軍専用の慰安所が設置され、ベトナム人女性に売春をさせていた事実をアメリカの公文書から探し当てた内容で、韓国は日本に慰安婦問題を追及できる立場ではないのでは?という声が起こりました。これに関してアメリカの報道官への質問が出るなど、アメリカでも一部で注目されました。



山口氏はこの記事を巡ってTBSと対立し、ワシントン支局長を解かれて左遷になったようです。詩織さんへのレイプがあったとされる2015年4月3日は、TBS幹部と話し合いのために一時帰国していました。



これらのことから、文春の記事の信憑性を潰すために、山口氏はハニートラップにかかったと言う声があります。


詩織さんについて

詩織という名前で顔を出して記者会見を開いたのは、大きなインパクトがありました。詩織さんが美人なので話題性は高く、ネットでも大きな話題になっていました。


そのため、すぐに非公表だった名字が特定され、フェイスブックやホームページ、インスタグラムやブログなども特定されています。ジャーナリスト志望なので写真の勉強もしていたのか、どのサイトの写真もクオリティが高いものが多く見られます。

これらのサイトが見つかったことで、民進党やSEALDsに言及する書きこみ、さらに担当弁護士が民進党関連者とわかり、記者会見も民進党が開いたのではないかと勘ぐられています。また記者会見で、共謀罪成立に関して唐突に話し出すなど、違和感を覚えた人が多くいます。一方で、詩織さんを中傷する書き込みも多く、セカンドレイプを心配する声があります。

まとめ

山口氏がテレビに何度も出ていて名前も顔も知られていることに加え、詩織さんが顔を出して会見したことから、大きな注目を集めました。顔出しでレイプの被害を訴えるのは異例で、とても勇気がいる行為だったと思います。誹謗中傷も覚悟はしていたでしょうが、かなり酷い状態になっています。

しかし同時に、レイプ被害の報道のはずが安倍政権への批判が出てきたことで、違和感を覚えた人が多いのも事実です。逮捕中止を安倍総理が指示した証拠もなく、知り合いだから怪しいというのは、これまでも森友学園や加計学園の報道と似ています。それに加えて共謀罪の話が出てくるので、勘ぐる人が出てきても不思議ではないと思います(だからと言って、誹謗中傷するのは論外です)。

上記したように、逮捕状が発行されているのに刑事部長の指示で中止になるというのは異例なので、なにかが起こったのは間違いありません。それが官邸の指示なのか、公安が公表できない何かをつかんだのか、それとも噂以外の全く異なる何かなのか、わかりません。恐らく明らかになることはないでしょう。

山口氏がフェイスブックに反論を書いたところ、安倍総理の昭恵夫人が「いいね」を押していて炎上しました。ご本人は「いいね、しただけであんなに責めなくてもね(笑)」とおっしゃっているようですが、空気を読めない加減が半端じゃない気がします。

本件はレイプ事件のはずで、それを文春の記事潰しや安倍総理への批判と混ぜて語れるので、わかりにくくなっています。それらは分けて、別に語られるべきではないでしょうか。


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