BBCのドラマ「ザ・ゲーム」が面白い/冷戦下のスパイの攻防
イギリスBBC放送で2014年に放送された「ザ・ゲーム」は、70年代のイギリスを舞台にしたスパイ・サスペンスです。すでに何度も見ているのですが、再放送される度に見てしまいます。残念ながらシーズン2の製作はキャンセルになりましたが、本格的なスパイものが好きな人にはたまらないと思います。映画「裏切りのサーカス」が好きな人は、間違いなく楽しめるでしょう。
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そしてキャストが何とも地味なのが、とても良い雰囲気を出しています。アメリカドラマにありがちな、モデルや俳優のような諜報員がいません(主演のトム・ヒューズは除く)。出てくる人達は総じて地味で、いかにもイギリスの公務員といった雰囲気です。
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物語
イギリス保安局MI5は、酔っ払って警官を殴って逮捕された男アルカディが、実はソ連KGBの大佐で、亡命を希望していることを知ります。アルカディはソ連が「ガラス作戦」という極秘作戦を展開中で、それによって全てが変わると言います。「ガラス作戦」を調査するMI5の前に次々に起こる事件は、MI5内部にスパイがいる可能性を示しており、次第に誰もが疑心暗鬼になっていきます。
「ガラス作戦」とはなんなのか、MI5にスパイはいるのか?いるとしたら誰なのか?高度な心理戦とミステリーが全編に通じて展開します。
キャスト
ジョー・ラム(トム・ヒューズ)
過去のポーランドでの工作の失敗で、ユリアという女性を失ったのが心の傷となっているMI5のエージェント。尋問のプロで、この物語の主人公。演じるトム・ヒューズは期待の若手俳優で、第2のカンバーバッチと言われているとかいないとか。
ダディ(ブライアン・コックス)
MI5長官で、誰も本名を知らない。優れた統率力でMI5をまとめてきたが、最近は加齢による判断力の低下を気にする声もある。演じるブライアン・コックスは、80年代から活躍する名バイプレイヤーです。
ボビー・ウォーターハウス(ポール・リッター)
MI5の防諜部長で、エリート街道を進んできた野心家。ダディの後釜を狙っており、独身で母親の存在に怯えています。ウェンディと親密になるのかならないのか・・・・
サラ・モンタグ(ヴィクトリア・ハミルトン)
鋭い洞察力を備えたエージェントで、ボビーの補佐を務めている。ダディのお気に入りとされている。夫のアランより出世していますが、子供を欲しいと思っています。
アラン・モンタグ(ジョナサン・アリス)
サラの夫で盗聴と通信のプロ。良き夫だが昇進する妻に比べ、自分の立場が低いことを気にしている。演じるジョナサン・アリスは同じくBBCドラマ「シャーロック」でアンダーソン役で出ています。
ジム・フェンチャーチ(ショーン・ドゥーリー)
ロンドン警視庁の刑事で、今回の事件でMI5に協力することになる。当初はスパイを蔑む発言をしていたが、彼らと行動を共にするうちに心情は変化していきます。
ウェンディ・ストロー(クロエ・ビリー)
秘書として働く最年少で、男性社会の中で出世しているサラを尊敬している。物語が進むにつれ、現場でも働くようになります。
見所
衣装やメイク、小物などにも時代を感じさせるものが多く、冷戦時代の暗雲垂れ込める不気味な雰囲気を演出しています。かつての007シリーズのような陽気で楽しげなスパイ劇ではありません。秘密裏に活動しなくてはならないスパイの、暗く重い空気が垂れ込める本格的なスパイミステリーです。
※黒電話にタイプライター |
そしてキャストが何とも地味なのが、とても良い雰囲気を出しています。アメリカドラマにありがちな、モデルや俳優のような諜報員がいません(主演のトム・ヒューズは除く)。出てくる人達は総じて地味で、いかにもイギリスの公務員といった雰囲気です。
※トム・ヒューズだけ二枚目です。 |
ミステリーとしても秀逸で、前半は話がもたつきますが、後半は一気に動き出します。「ガラス作戦」の全貌、そして裏切り者の存在が浮かび上がり怒濤の展開が後半に待っています。
まとめ
全6話で長すぎることもなく、見やすいドラマです。なぜシーズン1で終わったのか不思議に思うくらいの面白さで、本格的なスパイサスペンスを堪能できます。もっとも007シリーズにあるような、派手なスパイものが好きな人には肩すかしかもしれません。しかしリアリティのあるスパイものが好きな人には、たまらない面白さだと思います。
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